ダブルクランク

< アイデア内容 >

 通常のクランクピンの位置に、更にもう一つのクランクを設けて、ギアで回転の同期をとった構成となっています。
 クランクアームが中折れして、ストロークに直角方向の動きを吸収するので、コンロッドは傾かずに直線運動します。
 また、ストロークはメインクランク アーム半径の4倍となり、ロングストロークが得られます。

 まあ、自動車用エンジンとしては、曲げ/ねじり剛性が不足して現実的ではないでしょうが、何かに応用できないか考えてみるのも面白いのではないでしょうか。

< 振動特性の考察 >

 下の画像は、コンベンショナルなクランクとダブルクランクそれぞれで、上のグラフは左右方向、下が上下方向の振動特性を表しています。
 コンベンショナルの上下方向では、コンロッドの傾きによるピストンスピード変化によって複雑な波形となっていますが、ダブルクランクではコンロッドの傾きがないのできれいなサイン波となっています。

<直列4気筒にした場合 >

 コンベンショナルは左右方向はバランスしますが、上下方向は2次振動が残ってしまいます。
 ダブルクランクは上下・左右共にバランスしていることがわかります。

< V型への応用 >

 サブクランクの位相をシリンダーバンク角の2倍にすると、V型への応用もできます。

 ということは・・・、バンク角180°まで開くとサブクランクの位相は1周回って元の位置と同じ、つまり共通のピンになって一体のコンロッドでつなぐことができるわけですね!

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